セレッソ大阪スポーツクラブ

2021なでしこリーグ開幕直前インタビュー
セレッソ大阪堺レディース 監督 竹花友也
「ブレずに、世界に通用する選手を育てたい」【後編】

2021.03.26
【前編】から続く

【後編】

ずっと同じやり方でできたことで、いい選手がたくさん育っている

--昨シーズン大活躍した浜野まいか選手は、今月なでしこジャパンに初選出されました。
竹花「正直言うともっと早く呼んでもらっても……という感じです。このまま選ばれ続けて、日本のエースになってもらいたいです」

浜野まいかはなでしこジャパンに初招集、成長が止まらない。

--背番号10が小山史乃観選手というのはサプライズでした。
竹花「周りがすごく驚いていましたね。発表したときはワーッ、ヘーッて(笑)。本人もまったく予想していなかったみたいです。見ている人はわかると思いますが、史乃観もまいかと同じく、なでしこジャパンに入ってもおかしくないレベルです。すごくまじめで、(林) 穂之香に似ている部分があって、とにかく貪欲にこちらが言ったことを何倍にしてやれる選手です。さらに足が速くて前への推進力がある。今年はかなりやれるはずですし、やってもらいたいと期待しています」

周囲も驚いたという№10、期待を背負う小山史乃観。

--ポジション別では、昨シーズンの強みであったボランチは新しい選手たちがチャレンジしています。
竹花「(田畑)晴菜が初めてボランチに取り組んでいて、まだ手こずっている部分はあります。ボールの受け方など安全なところはできますが、晴菜らしい強さやキックのよさについては今話しているところです。何とかできるポジションを増やしてあげたいなと考えています。(松本)奈己も吸収しよう、変わろうとして必死でもがいているのがわかります。もともと向こうから話しかけてくることはなかったのですが、今年は違います。わからないことがあったら自分から聞いてきて、どんなことがあっても今年は試合に出て活躍するんだ、という強い気持ちを感じます。(高和)芹夏も含めて、意欲的に取り組んでくれています」

--サイドバックでは善積わらい選手が復帰し、ガールズだった白垣うの選手も頑張っています。
竹花「(善積)わらいは、練習試合の出場時間を少しずつ長くしていって慎重に調整を進めています。INAC神戸との練習試合では45分の出場でしたが、2年以上試合に出ていない中であれだけのプレーができるのはただものではないですね(笑)。(白垣)うのは思っていたより早くフィットして目途が立ちました。性格がまっすぐで明るいので、ネガティブなことは一切言わずにほめることを意識して声をかけています。もっともっとよくなると思います」

--背番号8番を着けた田中智子選手は張り切っているようです。
竹花「8番をもらったということもあるのかもしれませんが、自覚が出てきました。トレーニングが始まってから、まったく別人のようにやっているので、スタッフ一同驚いています。今年は頑張ると思いますよ」

--こうしてみると、どのポジションにも逸材が育っている印象です。
竹花「ずっと同じやり方で続けてきた、続けさせてもらえたということが、こんなにいい選手が育ってきたことにつながっていると思います。多くの選手がプロリーグに行くために抜けても、戦えるだろうと思わせてくれる選手がそろっているのも、同じやり方でできたからだと思います」

--今シーズンの目指すサッカーとリーグでの目標を教えてください。
竹花「やろうとしているサッカーはこれまでと変わらないです。前から積極的に行ってゴールを目指す、あのサッカーで世界に行った選手、プロに行った選手もたくさんいますので、同じように世界基準のサッカーを続けていきます。チームがスタートするときのミーティングでは、『なでしこ2部でほとんど負けなかったシーズン(2017年)のようにしよう』と伝えました。上位、そして優勝を目指していくということです。内容もですが、勝つことも重要で、それが将来のWEリーグにつながっていく。今いる選手もさらに高いレベルに行けるようにしてあげたいと思いますので、しっかり勝ち続けたいです」

--ファン・サポーターの皆さんへのメッセージを
「選手は変わりましたけど、今までやってきたことをブレずに変わらずに、アグレッシブで観ていて楽しいサッカーを今年も1年間やり続けていきます。また応援よろしくお願いします」

※インタビューは3月19日に行いました。