セレッソ大阪スポーツクラブ

2020なでしこリーグ1部開幕直前インタビュー 【前編】
セレッソ大阪堺レディース監督 竹花友也 

2020.07.14
2020なでしこリーグ1部開幕直前インタビュー
 セレッソ大阪堺レディース監督 竹花友也 

  待ちに待ったなでしこリーグ開幕! 7月18日(土)、セレッソ大阪堺レディースはホームに愛媛FCレディースを迎えて、2年ぶりの1部に臨む。2018年以来の指揮となる竹花友也監督に、新型コロナウイルスの影響で活動休止を余儀なくされたチームの様子、トレーニング再開後のチームづくりやその手ごたえ、今シーズンの目標などを聞いた。
(2020年7月10日インタビュー)


【前編】

活動休止も、リモートでコミュニケーションを

--監督として2年ぶりに指揮を執りますが、心境は?
「(2018年に退任して)正直なところ、いずれまた……とは思っていましたが、こんなに早いタイミングになるとは思っていませんでした。話をいただいたときは、いいのかな、あと2~3年後でもいのではと思いましたが、またこの選手たちとやれるということで、うれしい気持ちの方が強く、(就任を)決めました」

 
竹花監督にとっても2018年以来の1部挑戦。「今度こそ」の思いは強い。

--昨年はセレッソ大阪U-23を担当(コーチ・スカウト)しましたが、感想は?
「得たものはめちゃくちゃ大きかったですし、勉強になりました。プロの選手、トップに近い選手を初めて近くで見させてもらって、戻ってきて(女子を)見てみると、やはりイメージしていたスピード感とは全然違っていました。もともと女子も男子と同じ基準でやろうと取り組んでいましたから、もう一度そこへ引っ張り上げないといけないな、と感じました。先日(7/5)のハリマアルビオンとの練習試合では、セレッソのコンセプト通りにやれたという手ごたえを感じました。もともとコンセプトはわかってやってくれていたけれど、それがプレーに表れて、質のところで変わってきたと感じています」

--コンセプトをプレーに落とし込むというところは、今年の練習でかなりやってきたのでしょうか?
「言いましたね。パスのスピードなども、以前も言っていたつもりでしたけど、今年に入って全然違ってきたと感じます。やはり、U-23での指導は勉強になりました」

--昨年は、レディースの試合も気になりましたか?
「そうですね。行ける限り試合にも行きましたし、最後の長野パルセイロとの入替戦はU-23のアウェイと重なっていたので、移動のバスの中で見ていました。U-23のスタッフの皆さんも心配してくれていました。昨シーズンは1部に上がらないといけないというプレッシャーもあったでしょうけど、1年を通して消極的な印象だったのですが、リーグが進むにつれて、どんどん本来の姿が見られました。特に入替戦は『勝ちたい』という本来の力、リーグカップの決勝もそうですけど、持っている力が出たな、と思いました。よくやってくれました」

 
苦しみながら勝ち取った1部。入替戦は竹花監督も見守っていたという。

--今年また1部で戦えることになりましたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期、4月に入って活動休止になり、ステイホームは2カ月に及びました。
「チームとして活動休止になり、そこからはリモートでのトレーニングになりました。フィジカルトレーニングは週3~4回全員で行い、あとは個人でするトレーニングしかできなくなりました。大変だけど、やるしかないので、やっていこうと話しました。ただ、リモートでのコミュニケーションはうまく取れました。ミーティングは週1回、全員で1時間ほど行った後、ポジション別にDFだけ、FWだけという感じで、結構長くなったこともあります。その中で、戦術的なイメージの共有というところはうまく落とし込めたかな、と感じています。ビデオも使用して『ここを使って攻めて行くぞ』など、細かく理解してくれたと思います」

--自粛生活の中、選手のメンタルコンディションにも気をつけたと聞きました。
「オンラインのミーティングでも、みんなに声をかけることを心掛けました。人数が多いので、ミーティングに入っていても居るだけ、という選手がどうしても出てくる。それは絶対にないように、ホワイトボードに全員の名前を書いて、誰に声をかけたかチェックしていました。しゃべらずに終わるのだけは絶対にやめようと。ひとり一人が大きくなれる時間を作ろうと、それは気をつけていました。みんな元気に過ごしてくれたと思います」

(後編に続く)