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桜なでしこ物語

桜なでしこ物語|第17回 「成長のスピードは他のチームとは全然違う」

2019.10.14
「桜なでしこ物語」についてはこちら  をご覧ください。

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「成長のスピードは他のチームとは全然違う」

  2016年、なでしこリーグ2部に参戦したが、開幕からの2試合は1分1敗。しかし、この年のチームに悲壮感はなかった。
「それまでも、ひとつレベルが上がると、前のカテゴリーとは全然違う差が生まれていました。でもこの中でやっていくことで、絶対に自分たちは追いついて追い越せるというのは見えていました。(チャレンジリーグの)最初はあんなに大敗したのに、ちょっとずつ得点差が縮まっていったり、1年間の中で、前半戦で勝てなかった相手に後半戦で勝てたりということが続いていました。確実に成長はしているんだということがわかったし、(竹花友也)監督も、『成長のスピードは他のチームとは全然違う』と言ってくれていました。それを信じてやっていこう、という気持ちになっていました。だんだんでしたけど、たった2、3年でこうも変わるものなのか、と感じていました」
 林穂之香はこう振り返っていた。

 第3節はホーム開幕戦。監督の竹花は「(相手の)ASハリマアルビオンには練習試合を含めて勝ったことがなく難しい試合になると思うが、なんとか踏ん張ってやりたい」と話して臨んだ。
 センターバックに長身の宝田沙織と木戸梨聖を起用して、相手の高さとパワーに対応。そのディフェンスがうまく機能して、いい流れで先制点につながった。39分、相手GKのクリアのこぼれを見逃さず、野島咲良が決めた。前節のニッパツ横浜FCシーガルズ戦では再三のチャンスを決めきれず、試合後はずっと泣いて悔しがっていた野島の意地のゴールで1-0、なでしこリーグ2部での初勝利となった。

野島咲良のゴールが決勝点に!矢形海優と抱き合い笑顔を見せた。

【その後】
 文中にある野島咲良選手の涙はよく覚えています。ニッパツ戦の後はクールダウンが終わってもまだ涙が止まらず、ベンチ横で座って泣きじゃくっていました。野島選手に限らず、悔し涙の思い出が多いレディースの試合ですが、最近はその回数は減ったような気が…。心もたくましくなったのでしょうか。 

文・橫井素子