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【~風間塾セレッソ大阪養成所~開校の経緯~】丸山良明アカデミーダイレクター インタビュー

2023.03.23
――まずは「風間塾・セレッソ大阪養成所」を開催することになった経緯を教えてください。

丸山:風間八宏さんが2020年12月にセレッソ大阪スポーツクラブの技術委員長に就任した当初から温めてきたプロジェクトのひとつです。もともとセレッソとしては世界へ優れた選手をどんどん輩出していきたいと考えており、そのために優れた指導者を増やしたいと考えていました。

新体制として、風間さんがセレッソに加わって約2年が経ち、スタッフの目もそろってついにプロジェクトをスタートできる基盤が整いました。

風間さんもインタビューでおっしゃっていましたが、セレッソで指導してくれる仲間を増やすという目的と、指導スキルを磨きたい人や技術を深掘りしたい人に対して成長の場を提供するという目的があります。

――風間さんが来て2年が経ち、セレッソのアカデミーとスクールの指導者たちにどんな変化が起こりましたか?

丸山:スタッフにとって、決して簡単な2年間ではなかったと思います。技術を徹底的に掘り下げ、プレーの細かいところまで見極めることが求められました。

新しいことを始めるときに、誰しも「地図」があると安心だと思うんですね。こうやったらこうなるというマニュアルを知りたい。ただ、風間さんはサッカーの本質と向き合うことを求める。お手軽な解決策なんてないんですよ。

スタッフたちは試行錯誤を繰り返し、不安を乗り越えて進み続けてくれた。そしてだんだんプレーを見極められるようになっていった。そういうスタッフたちの姿を見て、「絶対におもしろい選手が出るぞ」と確信しました。

――スタッフの人たちも「止めて蹴る」の練習を熱心にしているそうですね。

丸山:結局、そこに行き着きますよね(笑)。やはり技術を自分の体でわからないと、言葉にして指導できない。それに早く気がついた指導者ほど伸びています。スタッフのほぼ全員、以前よりうまくなりました。

――1月29日に1日限定で「風間塾」を開催したところ、応募者が殺到したそうですね。その反響の大きさも今回のプロジェクトの後押しになっていますか?

丸山:はい、その通りです。参加者のみなさんの本気度と熱がすごくて、セレッソアカデミーの指導に興味を持って頂いているんだと実感しました。

実はセレッソ大阪U-18やスぺトレの練習を見学したいという問い合わせが、全国の指導者から来ているんですね。「セレッソで何かが起きている」と認識して頂けているのだと思います。

――これまで丸山さんがセレッソで見た中で、風間さんの指導を受けるうえでつまずきやすい共通点はありますか?

丸山:もちろん人それぞれなんですが、1つポイントになると感じるのは、自分がやってきたサッカーをフラットに見つめ直せるかということです。

この2年間、自分自身の固定概念を覆され続けています。自分が信じてきたものが絶対とは限らないという「自分を疑う自信」を持てるか。それが鍵になると思います。

――どんな方に受講して欲しいですか?

丸山:間違いなく本講座には新しい発見があると思います。自分はこのままでいいのか、自分をアップデートしたい、新しいものに触れてみたい、今までの自分を変えてみたいと思っている方々に、ぜひ参加して頂きたいです。

――映像で風間さんの指導を見るのと、実際にグランドで直接指導を受けるのとではやはり違いますか?

丸山:全然違いますね。たとえば止めるでボールを置く「点」を探すということに関して言うと、自分でうまく止められたと思っても、風間さんの基準はもっと精密。少しでもズレると、「止まってないな」と厳しい指摘が飛んできます。

ただ、それを繰り返していると、正確さにこだわればこだわるほど、その先のプレーが速くなることが身を持ってわかってくる。

風間さんから直接指導を受けると、どの瞬間に何を見るべきかがわかり、いかに技術をぼやっと把握してきたかに気づかされると思います。

――これまでたくさんの名選手を輩出してきたセレッソとしても、指導者育成は新しい挑戦ではないでしょうか。

丸山:Jリーグのクラブでなかなか聞いたことがない試みですよね。風間さんもインタビューで言っていましたが、僕たちはとてつもない選手を見たいだけなんですよ。

W杯やCLの決勝の舞台で、「うわぁ、そこ見てたの」「そんなプレーができるのか」という見ている方もドキドキワクワクさせる選手をセレッソから、そして日本中から輩出したい。受講者の方には、ぜひそれを実現する仲間になって欲しいです。