セレッソ大阪スポーツクラブ

宝田沙織選手 ワシントン・スピリッツ移籍に関する記者会見レポート【12/4質疑応答など追記・再掲】

2020.12.04
12月3日(木)、アメリカ女子プロサッカーリーグ ワシントン・スピリッツへ完全移籍が決定した宝田沙織選手のオンライン記者会見を行いました。内容についてお知らせいたします。

一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ 藤田信良代表理事あいさつ
平素はセレッソ大阪堺レディースをはじめセレッソ大阪アカデミーの活動について、ご支援、そしてご取材いただきありがとうございます。
このたび、セレッソ大阪堺レディースから初めてアメリカ女子プロサッカーリーグに選手を送り出すことになりました。
宝田沙織選手は、2012年にセレッソ大阪堺レディースに加入し、以来チームの先頭に立ってプレーを続けてきました。
また昨年にはなでしこジャパンのメンバーに選出されワールドカップにも出場、日本を代表する選手として期待されています。
そんなチームの中心選手を送り出すことについて、寂しい思いはございますが、日本を代表する育成型クラブとして、宝田沙織選手がさらに世界で活躍できる選手となるよう願いを込めて、今回の移籍を後押ししたいと思います。
皆様におかれましては、引き続き宝田沙織選手を応援いただきますようお願いいたします。




宝田沙織選手 コメント
「本日はお集まりいただきありがとうございます。来年からアメリカでプレーすることが決まり、すごくうれしいですし楽しみです。
初めての海外挑戦なので不安なこともたくさんありますが、自分らしくがんばりたいと思います。
セレッソでの9年間はものすごくかけがえのないもので、勝って喜び合ったり、負け続けて悔しい思いをしたときもたくさんありましたが、どんな時でも応援し続けてくれたファンやサポーターの方やスポンサーの皆さまには、感謝してもしきれません。
自分ができることはプレーで恩返しすることだけなので、精一杯がんばってきます。本日はありがとうございました」

質疑応答
--セレッソでの思い出は?
「思い出はたくさんあり過ぎます(笑) 中学2年生のときに初めてチャレンジリーグに出て、1点目を決めたことは鮮明に覚えています(※2013プレナスチャレンジリーグ第1節 vsスフィーダ世田谷)」

--「不安もあります」と言われていましたが、どういうところが不安に思っていますか。
「やはり言葉が通じなかったり生活も変わってくるので、少し不安に思います」

--愛着のあるセレッソ大阪堺レディースを出て海外に挑戦しようと思った理由を教えてください。来年日本では女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が始まりますが、セレッソは参加しないということも理由になるのでしょうか。
「日本にプロサッカーリーグができるというのはすごく楽しみですけど、自分は2年ぐらい前から海外に挑戦したいなという思いがすごくあって、それが強かったです」

--以前に東京五輪のことをお聞きしたことがありますが、海外に行くことで東京五輪への道が近くなる、という思いはありますか?
「なでしこジャパンに選ばれるようになって、自分の課題がわかるようになりました。そこで海外に挑戦することで、自分の課題をつぶしていけたらなと思います」

--オファーを聞いた時の率直な気持ちは? 決断はすぐにしたのでしょうか。
「自分のプレーを見て、興味を持ってくれたというのはうれしかったです。行きたいという気持ちは強かったです。途中で迷ったりすることも少しはありましたが、最後は自分のためにということで決めました」

--迷われた部分はどういうところですか?
「代表活動のことを考えると、このタイミングで行っていいのかなと思ったことはあります。成功するかしないかというのは行ってみないとわからないですし、そういう部分ではタイミングは考えたりしました」

--今年1年、なでしこ1部でプレーしてチーム、個人として成長したことが移籍を後押ししたということはありますか?
「今年チームが1部でプレーするようになって、チームが勝てるようになって、自分自身についても(成長し)チームの順位も(上がって)おととしの1部のときより自信になったのは確かです」

--今回の移籍を決めて、チームメイトに報告したときの反応は? 寂しいという感じは?
「いえ、意外とみんな『おめでとう!』という感じで(笑)、まだ(渡米が)先だということであまり寂しい感じはありませんでした」

--(ワシントン・スピリッツ)公式サイトでは「アタッキングサードでの期待」とありましたが、どういうところを評価されたのでしょうか?
「評価されたのは、U-20の大会(ワールドカップ)と(2019年の)ワールドカップに出場したということ、攻撃的なところがすごく認められたと思います」

--なでしこジャパンで課題が見えてきたとのことですが、スピードやテクニックは海外でも通用する宝田選手の持ち味だと思いますが、特に自分のプレーを通用させたい、と思うところと逆にアップさせたいところは?
「海外の選手はすごくスピードがあるので、競争するタイミングでは絶対負けてしまいますが、そういうかけひきは通用する部分だと思います。逆に1対1は海外では自分にとって課題になると思うので、個人のところでボールを奪いきる、負けないというところは磨いていきたいと思います」

--2年前から海外への思いがあったとのことですが、何かきっかけがあったのか教えてください。
「U-20のワールドカップで優勝したときに、海外でやりたいと思い始めました。そして去年のワールドカップで日本はあまりいい成績を残せず、自分も何もできずすごく悔しかったので、さらに海外で……という気持ちになりました」

--成人式で「挑戦」という言葉を掲げていたのが印象的でしたが、アメリカでどのように挑戦、成長していきたいですか。
「初めての海外での生活、海外挑戦でひとつひとつが初めてのことが多いので、ひるまず積極的にいろいろなことに挑戦していきたいなと思います」

--具体的にレベルアップしていきたいという点は?
「練習からこだわったり、いろんな人とコミュニケーションを取ったりしてレベルアップしたいです」

--ワシントンにはバスケットボールの八村塁選手もいらっしゃいますが、プロ選手同士の交流などはしようと思いますか?
「八村選手にはお会いしたことがないので、お会いしたいです(笑)」

--ワシントン・スピリッツにはFWとして評価されているようですが、今なでしこジャパンではCBですごく期待されていてレギュラー争いもできるのではというところだと思います。ポジションについてはどのように考えていますか?
「どのポジションでも練習からだったり、海外だと質が違ってくるので、(海外で)CBでやりたい思いはありますが、点を取るとかFWとして期待されているというところで、FWでも守備も意識してやっていきたいと思います」

--なでしこジャパンの高倉監督には話をしましたか?
「はい、お話しました。自分が決めたことなのでがんばれと言われました」

--向こうでは通訳が付くのか、住むところなどは決まっていますか?
「通訳は今のところ考えていなくて、住むところはチームが保有しているマンションに住む予定です」

--英語はできますか?
「英語はあまり得意ではないですが、今勉強中です。通訳さんがいると頼ってしまう部分があるので、自分でいろいろコミュニケーションを取ってしっかり学んでいきたいと思います」

--来年の東京五輪への思いは?
「なでしこジャパンに関わる機会が増えたことで、よりオリンピックに意識が向くようになりました。そこに向かって何が必要なのかを自分の中で考えるようになって、来年は東京五輪をまず目指しながら、海外で成長していきたいと思います」

--ワシントン・スピリッツには横山久美選手もおられますが、話はされましたか。
「自分から『よろしくお願いします』と連絡しました」

--今回アメリカを選ばれた理由は?
「まず英語圏であるということ、自分の中ではアメリカが印象的で、サッカーが強いと思っていました」

--国内への移籍は考えなかったのですか?
「やはり海外へという思いが強かったです」

--東京五輪に出られないというリスクも考えましたか?
「海外は日本の生活とは違いますし、全部の面で新しいことがあり、慣れないことが始まるので、そこはすごく考えました。自分の目標はまずオリンピック出場というのがあります」

--コロナウイルスの影響は心配していませんか?
「それは日本も同じだと思いますし、挑戦したいという思いが強かったです」

--八村選手に会ってみたいということでしたが、地元が同じ富山の八村選手とどんな話をしたいですか?
「どうして海外を選んだのですか、とか違う競技ですけれどいろんなことを聞きたいと思います(笑)」

--熊谷紗希キ選手が海外に渡った年齢と同じ20歳での移籍ですが、アメリカ移籍のあとの将来のイメージは?
「2年間アメリカで過ごしてみて、そのまま海外でという選択肢もありますし、また日本に帰ってきてプレーをしたいという気持ちもあります。その時に考えます(笑)」

--プロになるということで、これまでとは違う生活になると思います。今まで違ってこんなことに時間を使いたいという考えはありますか?
「今は午前中に学校などに行って、夜に練習ということで家に帰るのが遅くなることが多いのですが、プロになると朝に練習をして午後は自分の時間を過ごすというイメージがあるので、その自由時間に息抜きだったり、自分の課題の体作りに取り組んでいければと思います」

--アメリカにはいつ行かれますか? すでに視察などはされましたか?
「まだ決まっていませんが、1月中にはという感じです。現地にはまだ行っていないです」

宝田沙織選手の移籍について