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2017年、「1部昇格あるのみ」「なでしこリーグ1部昇格あるのみ」。2017年シーズンの目標はシンプルだった。ここまで一歩ずつ階段を上ってきて、さらに上をというのは当然の流れだった。
開幕戦の相手はニッパツ横浜FCシーガルズ。前年の2016年は2戦2分で勝利がなかった相手だ。前半は硬さが見られたが、50分に松原志歩が先制ゴールを突き刺すと、攻撃が全開モードに。宝田沙織、北村菜々美も続いてゴール、守っては相手をシュート4本の無失点に抑え、3-0で勝利した。
第6節では1部から降格してきた岡山湯郷Belleに対し4-3と競り勝つなど、勝負強さも発揮できるようになった。結局シーズンを通じ敗戦はわずかに1試合、ホームでの日体大FIELDS横浜戦のみ。リーグ終盤に勝ちきれず引き分けの試合が続いたことで、自動昇格となる1位は勝点1差で日体大FIELDS横浜に譲ったが、最終節のアウェイ・ニッパツ横浜FCシーガルズ戦に勝利したあと、すぐさま気持ちを切り替えた。
「入替戦に勝って、絶対に1部に上がる」
2カ月後、12月上旬開催のなでしこリーグ1部・2部入替戦に向けて早くも気持ちは飛んでいた。
開幕戦でゴールを上げた宝田沙織。リーグ通算22得点で、なでしこ2部得点女王になった。
【その後】
開幕戦から勢いと意気込みがすごかった2017年。「自分たちはできる」という自信に前年3位の悔しさが加わった精神力、年齢と経験を重ねて選手個々の力も身についていました。なにより、2013年から4シーズンの間ほぼ変わらないメンバーでプレーを続けたことで、チームの成熟度が上がっていました。なでしこリーグ2部で2位という成績は、ある意味自然な流れに思われ、入替戦が待ち遠しかったのを覚えています。
文・横井素子