セレッソ大阪スポーツクラブ

日本クラブユース女子 準決勝 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18 戦|レビュー:

2023.08.06
2023年8月6日(日) 第5回 日本クラブユース女子サッカー大会(U-18) 準決勝
セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18 1-1 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18
試合詳細 >
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第5回日本クラブユース女子サッカー大会(U -18)準決勝 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18戦がコーエィ前橋フットボールセンターAにて開催されました。

大会連覇に向けて、まずはこの試合に勝って決勝へ駒を進めなければなりません。選手達は、緊張感もありつつリラックスした様子で試合に入ります。
立ち上がりは積極的にボールへアプローチします。前半3分、左サイド深くに侵入した佐藤から折り返しのパスを丸井が受けてミドルシュート。ここは相手に寄せられてバランスを崩し、シュートを枠に飛ばすことができません。準々決勝から中1日。疲労のピークも迎える状態での試合。選手達の気持ちは高まっているはずですが、体は思うようについて来ません。先制点を狙って積極的に攻めたいところですが、単純なパス・トラップがずれてしまい、出し手が正確にボールを味方に渡せない、受け手も相手に隠れていてパスを引き出せないといった良くない状態で試合が進みます。
7分、相手FKからの早いリスタートに対してプレスがかからずクロスを上げられます。ここはシュートを打たせませんでしたが、セレッソは攻守の切り替えが遅く、守備ラインも低い状態が続きます。
なかなかペースを掴めない展開の中での11分、右サイドの連携から縦パスを受けた古田が左足でシュートを打ちますがDFに阻まれます。16分には、中盤でボールをキープした木下から古田→佐藤→木下→杉本とテンポ良くパスを繋ぎますが、杉本のコントロールが乱れてゴール前に侵入することができません。
その後も前からボールを奪いに行くことができず、相手の得意なサイド攻撃から左右に振られてクロスを上げられるシーンが目立ちます。ビルドアップでも受け手に対するサポートが遅く、意図的にボールを前進させることができません。20分過ぎに、牧口のクロスボールや丸井のロングシュートなどで攻撃を試みますが、いずれも決定機とはなりません。
24分、相手ボランチを経由して左右にボールを振られて、CBの背後へ斜めに走ったFWへ右サイドから長いパスを入れられます。危ないタイミングでしたが、GK関口が勇気を持って飛び出しクリアします。26分には、右サイドの少し深い位置へロングボールを蹴られます。ゴールからは距離がありましたが関口が飛び出します。しかし、相手選手が先にボールを触りシュートを打ちます。このシュートは関口の頭上を抜けてゴールへ向かいますが、僅かに外れて難を逃れます。
33分に大きなピンチを迎えます。中盤で失ったボールを素早くゴール前に繋がれ、GK関口がFWと1vs1になります。難しい局面でしたが、関口は一気に間合いを詰めてシュートを脚に当ててゴールを守ります。
このまま0-0で前半終了を迎えたいところでしたが、アディショナルタイムに一瞬の隙を突かれます。右サイドから中央へ斜めに蹴られたロングボールに対して、CBがFWに背後を取られます。難しいボールでしたが相手FWは完璧なファーストコントロールからシュートまで持ち込み、セレッソは重要な先制点を献上します。

ハーフタイム、流れを変えるために安田と玉村を投入し、ポジションチェンジも行って後半へ臨みます。

しかし、後半も流れは変わりません。相手はサイドを広く使いながらクロスボールやロングボールも交えて攻撃します。セレッソはスペースに走らされながらの守備が多くなり、前向きの良い状態でボールを奪える場面が少なく、守備から攻撃に移ることができません。何とかボールを前進させるために楠からCBの背後を狙ってロングパスも狙いますが、相手選手にことごとく跳ね返され、逆にショートカウンターのピンチを迎えます。
クーリングブレイクを使ってポジションチェンジを行います。残り時間内に追いつくために、CBの楠をFWに上げて、パワープレーに出ます。
すると、直後でした。中盤で一旦は失ったボールに対して複数人が連動した守備をして奪い返します。後半途中から出場した池田がインターセプトから楠へ縦パスを送り、それを木下へ落とします。ゴールから少し距離がありましたが、木下は迷わず左足を振り抜きます。打った瞬間入ったかに見えたボールは、GKに弾かれながらバーに直撃し跳ね返ります。しかし、ここにストライカー佐藤が詰めていました。こぼれ球に誰よりも早く反応し、左足を振り抜いて同点弾を挙げます。
残り時間ではスコアが動かず、勝敗はPK戦に委ねられます。ベンチの選手達は、全員で肩を組んで勝利を祈ります。
先攻はセレッソ。1人目の丸井はゴール左上隅へ豪快に蹴り込みます。
相手1人目のキッカーが低い弾道で放ったシュートにGK関口が鋭い反応を見せてセーブします。これで展開が有利になり、同点弾を決めた佐藤も確実にゴールネットを揺らします。相手2人目のキッカーは枠外に外してしまい、これで2-0。続く牧口も冷静に決めて勝利が近づきます。相手3人目には決められてしまいますが、4人目のキッカー木下がゴール正面に豪快に蹴り込みます。これで4-1となり、勝敗が決しました。

自分達が思い描いたプレーはほとんどできない苦しい試合でしたが、残り時間僅かで追いついた勢いをPK戦に持ち込み、何とか勝利を拾うことができました。
疲れで思い通りに走れない中でも、技術や頭を使って冷静に相手を観ながら対応すること、また、ピッチ上の選手自身が覚悟を持って自分の全てを出し切ることがこういった試合では重要になります。

難しい局面を乗り越えた先にある決勝戦。次も相手は強豪ですが、まずは自分達のやれることややるべきことをピッチで出せるかが鍵になるはずです。
残りは1試合。観てくださっている方々に何かが伝わるような、そんな試合をチームみんなでできたら素晴らしいと思います。

暑い中、遠方から応援に駆けつけてくださった皆様ありがとうございました。
決勝戦も熱いご声援をよろしくお願いいたします。

セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18コーチ
金澤史朗