セレッソ大阪スポーツクラブ

日本クラブユース女子 決勝 日テレ・東京ヴェルディメニーナ戦|レビュー:

2023.08.08
2023年8月7日(月) 第5回 日本クラブユース女子サッカー大会(U-18) 決勝
セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18 0-1 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
試合詳細 >
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第5回日本クラブユース女子サッカー大会(U -18)決勝 日テレ・東京ヴェルディメニーナ戦がアースケア敷島サッカー・ラグビー場にて開催されました。

準々決勝は1点差を守り切っての辛勝、準決勝は土壇場で追いついてのPK勝ち、苦しい展開を乗り越えて決勝に辿り着きました。満身創痍という言葉通りのコンディションで迎える決勝の舞台ですが、気力で乗り切ってみんなで悔いの無い試合を、という想いで円陣を組みます。

試合は立ち上がりから日テレのペースで進み、前半僅か3分に失点を許します。
相手のボール回しに連動した守備ができず、サイドに張っていた右SHにCBからパスを入れられて前を向かれます。SB牧口が遅れて対応しますが、ドリブルで剥がされてゴール方向への侵入を許します。CB四本のカバーも間に合わず、そのまま独走されシュートを決められます。
その後も、個々の技術が高く最終ラインから丁寧にパスを出し入れしてくる相手に対してプレスのかけどころが無く、相手にボールの保持や前進を許します。5分には、相手陣内での縦パスをカットされカウンターを受け、相手FWのドリブルからスルーパスを背後に通されシュートまで持ち込まれます。17分には、左サイドのパス交換から抜け出したFWにエリア内へ侵入されますが粘り強く対応します。

クーリングブレイク、相手のボールの持ち方からパスの出所を予測してそれに応じた立ち位置やプレスのかけ方を確認します

再開直後、選手の動きは変わります。前線はパワーを持ってボールへアプローチし、中盤・最終ラインもそれに呼応します。背後のリスクを負いつつも、前向きに奪える場面が出始めます。24分、プレスを外され、左サイドで1vs2の状況を作られて大きなピンチを迎えそうになりますが、四本が戻りながらスライディングタックルで阻止します。際どいタイミングでファールにはなりますが勇敢なプレーでした。このファールで嫌な位置からFKを与えますが、ゴール前の守備は集中しており、シュートもGK天野がキャッチします。
流れを変えたいセレッソですが、日テレの上手さが際立ちます。
最終ラインとボランチが深めの位置でパスを回すことでセレッソのプレスを引き出しながら様子を伺ってきます。そこから、FW11番が落ちて起点になったり、FW9番にロングボールを入れることでCBと1vs1の状況を作ったり、両SHが背後へ抜け出したりと状況に応じてプレーを選択してきます。
27分には、下がって受けようとした11番にCB四本が対応するのを見て、9番にロングボールを入れられます。対応した楠が体を入れ替わられて一気にゴールへ向かわれます。2失点目を覚悟しましたが、このシュートは外れて助かります。ほとんどチャンスを作れない展開でしたが、28分に四本の縦パスを佐藤が下がって受けに行きます。ここで相手DFと上手く入れ替わって前を向き、そのままドリブルで運びます。木下や飯田へのパスという選択肢もありましたが、相手DFを見ながらシュートを選びます。良いタイミングでのコースを突いたシュートでしたが、僅かに右へ外れます。数少ないチャンスをものにすることで試合の流れを変えたいところでしたが上手く行きません。
日テレのペースは変わらず、30分にはボランチからFWへ浮き球のスルーパスを通されます。戻ってエリア内で対応した楠の脇を抜けるシュートを放たれますが、これはGK天野の正面を突き、得点を許しません。直後にも、浅い最終ラインをスルーパスで崩されかけますが、相手のパスミスに助けられます。
残り時間も防戦一方となりますが、何とか耐えて前半を0-1で終えます。

ハーフタイム、ボールを奪うための守備を確認し、丸井→杉本の交代をして後半へ入ります。

後半、選手達の疲労は困憊で足も動きません。
1分、左サイドからの突破についていけず、グラウンダーのクロスを入れられピンチを迎えます。 6分にもFWへの縦パスを起点にゴール前に侵入され、最終的にクロスを上げられます。その後も相手の持つボールを懸命に奪いに行きますが、良い状況を作り出すことがなかなかできません。
15分、木下に替えて池田を投入し、スピードを生かした前線からのプレスと裏への抜け出しを期待します。ボールを奪っても自分達の時間を作れない苦しい時間が続きます。30分、最終ラインからのミスパスをカットされてゴール前に運ばれます。1vs1の場面でしたが、ここもGK天野が果敢に飛び出してゴールを死守します。
残り10分を切ったところでCB楠を前線に残して、パワープレーに賭けます。しかし、効果的なボールの配給や冷静な判断ができず、チャンスは作れずに時間だけが過ぎていきます。

そして試合終了のホイッスル。苦しい中でも1失点に抑えましたが、ピンチは多くチャンスは少ない試合でした。終始、相手とボールを追いかける展開で、奪ったボールも効果的に攻撃へ繋げることができずゴール前に侵入できませんでした。準決勝の再現で、1回のチャンスをものにして土壇場で追いつくことを全員が願いましたが、残念ながらそこまでの気力や体力は残っていませんでした。

会場に足を運んで応援してくださった方、また、遠くから勝利を願ってくださった方、本当にありがとうございました。目標としていた「優勝」という結果には届きませんでしたが、試合を通して選手達が変化や成長を見せてくれました。また、シビアな戦いを経て、個々がこれから向き合うべき課題も見えてきたと思います。今後、この貴重な経験を日常に戻った時にどう生かすかが重要になるはずです。選手達のさらなる成長に期待していただき、次なる戦いを応援していただきますようお願い申し上げます。

この大会への参加にあたり、本当に多くの方々からサポートをいただきました。また、酷暑の中ではありましたが、大会期間中も様々な方のご尽力があって選手達はピッチの上でプレーすることができました。この場をお借りして、関わっていただいた全ての皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18コーチ 金澤史朗