セレッソ大阪スポーツクラブ

2021なでしこリーグ開幕直前インタビュー
セレッソ大阪堺レディース 監督 竹花友也
「ブレずに、世界に通用する選手を育てたい」【前編】

2021.03.25
【前編】

新しいチームなので、コミュニケーションをしっかりと

--今季は顔ぶれがかなり変わりましたが、どんな気持ちで始動を迎えましたか。
竹花「今まで一緒にやってきたメンバーが移籍しましたが、ゼロになったわけではなくて、何人かは残っているので大丈夫だろうという思いでトレーニングに入りました。実際やってみて、去年と比べると戦術理解や技術のところもそうですが、スピードやパワーもひと回りふた回りぐらい下かなと感じていましたが、ガールズで経験してきたことも大きくて、2013年にチャレンジリーグ初参戦したときのような大敗が続く……ということはないんじゃないかなと感じています」

--チームづくりで苦労したところは?
竹花「去年までガールズにいた選手とはそこまでコミュニケーションを取っていたわけではなかったので、細かく具体的に伝えていくという点で最初は難しかったです。コミュニケーションをしっかりとるために、選手とは毎日必ず全員と話をするようにしていて、それはすごく気を付けていますね」

フレッシュなメンバーをどう束ねるか――チームを率いる竹花監督

--前キャプテンの林 穂之香選手をはじめ、多くの選手を送り出したことについてはどうとらえていますか。
竹花「男子の場合は昔からプロリーグがありましたが、女子には無くて今年できることになって、プロになるために移籍することはすごく前向きなことだと思いました。セレッソが(初年度に)WEリーグに参入しなかったということはあるんですけど、選手たちがプロリーグのチームに行けたというのは今までの頑張りがあったからこそ。自分自身もJリーグができたときに、プロになるんだという思いがあって、あのタイミングで大学や社会人のチームではなく、プロを選んだことが自分の今にもつながっています。それは大きかったですし、よかったと思っています。だからレディースの選手たちについても、プロになりたいという気持ちを持った選手に対して『行くな』という思いは少しもなかったです」

--2月2日に始動して約2カ月、チームの仕上がり具合はどうでしょうか。
竹花「先ほども言いましたが、ゼロからじゃないので、わかってきたら呑み込みが早いというか、浸透させるのはすごく早かったです。まだ完全にというわけではありませんが、頑張っていいところまで来ていると思います。あとは、点を取るところが一番足りないのと、コンビネーションについてはずっと一緒にやってきた選手同士とは違って、もっとやっていく必要があるなと感じます」
--リーグが始まって試合を重ねて行けばもっとよくなる……という手ごたえは?

竹花「存分にあります。ガールズの選手が去年までチャレンリーグで大人の選手と対戦していた経験があるのも大きいです。本人たちが気づいているかはわかりませんが、自信は出てきていると思います。失敗しても何も気にすることはないから、チャレンジしようと言っています。(ガールズから)監督が代わって、少し違う点はあるかと思いますが、その部分はやりやすくできるように心がけています」

--3月14日のINAC神戸との練習試合はいい試合だったと感じました。
竹花「個人のミスとかはまだあると思うんですけど、チーム全体でどうボールを運んでいこうとか、どういうところを突いていこうというところは、よくてできていたと思います。少しずつですが、やろうとしているところ、そんなに難しいことではなくてシンプルなんですが、今まで映像を交えてやってきたところができてきていると思います」

--新しいキャプテンとして筒井梨香選手を指名しました。その理由は?
竹花「ちょっとふざける性格というか、そういうところはありますが、根が真面目で頼まれたに断らずにしっかりやる選手です。親分肌的なところもあります。個人的なプレーでも頑張ってもらいたい思いもあって、任せることにしました。ここまでチームをひっぱるところ、声をかけるところはすごくしっかりやってくれています。動きのところはまだ体がフィットしきれないところや弱さがあり、本人もわかっていて今取り組んでいるところです。やらなアカンという気持ちが強くて、チームを引っ張るためにも自分がやらないといけない、という気持ちになっています。課題を克服するために、年下の(浜野)まいかたちに声をかけてトレーニングをしています。本当に強くなりたい、うまくなりたいんだなと思います」

コミュニケーション能力の高い筒井。始動から明るくチームを引っ張っている。

(後編に続く)

※インタビューは3月19日に行いました。